仕事、結婚、出産も?すべてを手に入れるという幻を追いかけて
欲深さでは結構な負けず嫌いだと思う。ブランドものが欲しいとかいう物欲ではないです。どちらかというと自己実現とか承認欲求とか、どこかのセミナーのいいカモになりそうな欲望。もうスピリチュアルも卒業したのでセミナー営業はノーサンキューです。
暇なのにやりがいがある仕事の矛盾
物事には良い面と、良くない面(と最初は見える)があるといわれます。コインの裏表のように引っ付いているものだから、片面だけ欲しいと思っても土台無理な話。
私も転職先を探していろんな求人を見るけれど、
やりたい仕事がやれる
残業ゼロ
十分な年収
安定
良好な人間関係……など、すべてを満たす職場なんて夢物語だろうなと思います。
前職でやりがいのある仕事をしていた時は、終電・徹夜の残業が続くハードな環境でした。転職したら、定時で帰ることができるけれど、やりがいには欠けます。安定と退屈はセットらしい。「暇なのにやりがいがあるんです!」なんて仕事があったら、かなり不思議に見えます。
何事もすべてを満たすのは「ない」という前提でいたほうが、覚悟ができそうです。「ある」とすれば、自分の心の中で満たされるようになること。
アドラー心理学の書籍『嫌われる勇気』では、人生で与えられたものをどう使うかだと書かれています。ないものではなく、今あるものに目を向ける考え方ですよね。
誰のせいにもしない人生を
物理的に満たされた状態ってのは、めったになさそうで、むしろあったらおかしくなるのかも。お金持ちの人が必ずしも幸せではないように。
『かけらを探して』という絵本があります。ナチュラルな手書き線で描かれたシンプルな絵柄の主人公は、丸の一部が欠けたパックマンのような形。主人公がその足りない一部(ピース)を探す旅に出るストーリーです。
この絵本のテーマが、「欠けていていいんだ」ということ。ありのままの自己受容。欠けている自分が本当の姿で、その足りないピースを探す旅こそが楽しいのだ、と解釈しています。
欲深いのでいろんなものが欲しくなります。仕事も、プライベートな時間も、収入も、やりがいも、キリがないほど。
メディアでは、結婚、出産、仕事、すべてを手に入れたような女性が紹介されますが、すべてを手に入れて幸せに見えるだけかもしれません。何かを手に入れることは、コインの表裏両方を得ることだから。欠けているものを満たす過程を楽しむのが人生のようだから。
後悔にとらわれない唯一の方法は、どの道を選んでも「自分で選んだのだ」と覚悟を決めること。誰のせいにもしないこと。欲しいものは順番に、一番いいタイミングでやってくるんじゃないかなと思います。
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