会社辞めたい!?退職を決断する前に最後にやっておくと良いこと
2017年9月の有効求人倍率が1.52倍だったというニュースがありましたが、人気の求人に人が殺到し、一方でサービス業や福祉関係など、人手不足が続く業界もあるでしょう。
私が主に求人をチェックする出版業界は、やはり人気職種。求人があっても「若年層の長期キャリア形成を図るため」という理由で30歳までの年齢制限がちょいちょいあります。
雇うなら若者のほうがいい?
作っている本の種類にもよるけれど、編集職は基本的にハードで、終電、休日出勤も当然のようにある業界。残業代など「見込み残業」として給与にすべて含まれたりします。
そのような環境でも体力がついていくのはやはり若者だし、上の立場としても新人は若年層のほうが教えやすいでしょう。ヘタに年齢も経験もプライドもあると周りも扱いにくいはず。
確かに20代のほうが人の入れ替わりが多いでしょう。自分も20代前半の頃は、あっさり会社を辞めていました。ナメてますね。自分が受かるかどうかは別にして、求人はたくさんあったし。
「いつか自分にピッタリ合う、やりがいのある仕事があるはず」などと頭の中をお花畑にして「ここではないどこか」を探していたのです。
会社の基本はどこも同じ?
転職の腰が重くなったのは、30代半ばを過ぎてから。転職をして会社をいくつか見て回るうちに、基本的なことはたぶんどこも同じだと思ったのです。
会社は辞めるのも入るのも大変。
引き継いで、引き継がれて、仕事がルーティンとして稼働するまでの期間は基本的に戦力外。
中途だろうと新人は新人で、煩雑な仕事が回ってくる。
周りに馴染むまでは、息つく暇なく気を遣う。
「コイツは意外にやる」と認められてから、やっと手が届く仕事もある。
会社である程度の信頼と裁量権を得て、ペースを掴んで進行していくまでは、監視されている気になります。
精神的に。
そのような窮屈なアレコレを転職で何回か経験すると、会社に夢(正確には、自分にだけ都合の良い夢)を持たなくなります。
転職すれば「もっと良くなる」なんて過度な期待も持ちません。
転職の成功は、入ってみないと分からない
「会社を辞めたい」と考えるのは、辞めたくなるほどの原因が会社にあるからでしょう。私の場合は、「やりたい分野の仕事があまりできない」という理由になります。しかし辞めたところで、本当にその不満が解決するかといったら、そんな保証はどこにもない。
「ここでできない奴が他のところでもできるわけがない」とか、「逃げて辞めても、次も同じ悩みでグルグルする……」なんて戯言はよく聞く都市伝説です。辞めたら改善するかもしれないし、しないかもしれない。結局は、次の職場に入ってみないと分からない。
解決する悩みなら、今の職場で解決させる
それでも辞める前に、今の職場で改善できる不満ならば、何とか解決する方向に動いてみたほうがいい。
一時期、ある同僚はマーケティングリサーチを熱心にし、改善案を上司に提出するなどして、彼女なりに状況を良くしようと試みていました。
結局上司は聞く耳を持たない人だったので、彼女の提案もスルーされてしまったようですが、彼女は「自分のできることはやり尽くした」と胸を張って退職していきました。会社が提案を受け取るか分からなくても、彼女の行為は、自身の踏ん切りをつけるためのものだったようです。
「不満が解決するなら今の職場でもいい」と思えるのなら、退職届を出す前に、改善に向けたアクションをしてみると、いろんな意味で気が済むのではないかと思います。
気が済んで「辞める!」と決断しても。
気が済んで「まあいいか」と残ることにしても。
私は現状を改善するために、企画提出の鬼になろうと思います。
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