2018年2月28日

労働裁量制の人件費と外注さんのギャラ、そして経費。どこで節約するか?

投稿者: sanoe

労働裁量制の議論が国会で盛り上がっています。編集系の求人を見ていても、労働裁量制の会社は多いです。労働裁量制、または見込み残業代込み、もしくは年俸制。

時間内に終わらないのは社員のせい?


編集の仕事は時間に換算しにくく、長い時間をかけるからってクオリティが上がるわけでもない。時間内で早く成果を出せる人こそ優秀な人。なぜ仕事が遅い人間にわざわざお金を払う必要があるのか。無駄な残業代を払いたくない……というお話、ごもっともです。

しかし、名ばかりの労働裁量制で身を粉にして働く方のうち、そこまでできない社員がいらっしゃるとは思えないのです。真面目に仕事をこなそうとするから、自分を犠牲にして働こうとするし、責任感があるから辞めるに辞められない……という方が多いのではと思うのです。今まで自分が見てきた環境ではそうでした。

「ラクに働いて残業代を稼ぎたい」と考えるような方は、たぶんそのような会社に行かないだろうし、ちゃっかりホワイト企業で残業代を稼いでいるのではないでしょうか。

仕事の成果が出ないならどれだけ努力しても評価されない、というのもごもっともです。経過よりも成果です。しかし、心と身体を害してまで働くことが最高の成果につながるとも思えない。

本当に無駄な支出って何?


労働裁量制は、たとえば1日の労働8時間のところ、3時間で終わっても、10時間で終わっても8時間の労働した扱いになります。しかし3時間で終わるような仕事量では、会社としては当然赤字なので、時間いっぱい働かせるボリュームの仕事を提供するでしょう。

時間いっぱいどころか、キャパオーバーになるほどの仕事量も。8時間で終わるわけがないと訴えたところで、会社側が「終わらせろ」と命ずるなら何とか達成するしかありません。

会社側としては払う人件費の分のモトをとりたい。無駄にしたくない。この、人の時間を使い倒すという思考は、社員のみならず外注のフリーランスさんにも向けられることがあります。要するに仕事を買い叩く。サービスのデフレ化です。

業績が伸び悩んでいると諸経費の支出をできる限り抑えるよう指示が下りてきます。それは会社として正しいことだけれど、かける経費の使い道を間違っているのでは?と思うことも多々あったります。それなのに外注の方に対するギャラは買いたたく。

何だろう……。社員であれ、外注であれ、気持ち良く働くレベルを越えた、買いたたくという連鎖。結果としてマイナスでしかないと思うのですが。そして無駄な経費を豪勢に使えるのは本当に裁量権を持つ一部分の人。日々ちまちまと経費節約に励んでいるのが馬鹿らしくなります。
気持ち良く働ける会社が増えますように。

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