仕事は「してあげるもの」か、「させていただくもの」か?
芸能人の方のインタビューでよく耳にする言葉の一つに、
「〇〇の役をさせていただいて……」があります。
他にも「役者の仕事をさせていただいて」「〇〇の番組に出させていただいて」など。
基本的に仕事は「させていただくもの」という表現です。
子どもの頃は、テレビに出るような特別な仕事だから
「させていただく」になるのかな……と思っていました。
有吉弘行さんの言葉に垣間見る仕事姿勢
先日、某番組で有吉弘行さんがトークの中で仰っていたことが印象的でした。
地元広島でコンビニのバイトをしていた時期があるそうで、当時のエピソードを語る時に
「俺ね、地元のコンビニでバイトさせていただいたことがあったんだけど……」
と話されたのです。
少しうろ覚えなので「バイトさせてもらう」だったかもしれませんが。
とにかく「バイトしていた」ではなく、「バイトさせていただく」というニュアンス。
テレビ用に言葉を丁寧に変換されていたとしても、
この一言だけで、有吉さんの仕事全般に対する姿勢が見えるようです。
身の回りの普段の会話を思い返してみると、
「バイトさせていただいた」とは、ほぼ言わないだろうし、
心の中だけでも「させていただいた」と変換することは、できそうでできない気がします。
仕事に対して上から目線になってない?
仕事の何たるかを全く理解していない学生時代の気楽なバイトをしていた頃、
私は仕事に対して「させていただくもの」という感覚ではなかったと思います。
むしろ「してあげてる」くらいの傲慢な考えだったかもしれません。
今なら仕事のことを誰かに話す時は、「させていただいています」に変換されます。
「してあげてる」なんて上から目線の発言などとても言えない。
どんな簡単な仕事であれ、私に任せてくれることがどれだけありがたいことか、
任された仕事で対価を得ることがどれだけ大変かを知っているから。
責任を持って働く方なら、分かり切った当然の話だと思います。
そんな当たり前の話をしてスミマセン。
ただ、仕事にやる気がなくなりそうな時は、
たいてい「してあげてる」という上から目線がどこかでひょっこり発生していて、
「仕事はさせていただくもの」という感覚を思い出すことで、
投げやりな気持ちがリセットされると思うのです。
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