2017年2月6日

「忙しくない自分には価値がない」と考える残業好きに価値はあるか?

投稿者: sanoe

残業時間の取り締まりが強化されつつありますが、この話は、1分1秒が惜しくなるほど超多忙という職場環境の方は当てはまらないと思います。ブラック企業で頑張るしかない職場の話は別です。

ダラダラ残業やめません?

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残業する会社員の中には、「残業好き」な人もいたりします。
表向きは「残りたくない」「早く帰りたい」と言うけれども、仕事を抱えて追い込まれるのが大好きなんでしょうね。「こんな忙しい俺(私)、大変(凄い)でしょ」というドヤ顔がほのかに見え隠れします。俺(私)がいないと職場がまわらない…と陶酔されているのでしょうか。

でも気持ちはちょっと分かります。
仕事が少ないと思われたくない、デキる人と評価されたい、他の人には任せたくないなどの欲があるから、自分の仕事は手放さずに抱えてしまう。で、「遅くまで残って大変ですね」と評価されるなんて悪循環。仕事ができる人には仕事が集まってくると言われるので、一概には言えないとは思いますが、ダラダラ残業が常習化している職場やきちんと残業代が出る職場で残業好きな人が見られます。

昔、勤めていた某会社のボスは「仕事がデキる人ほど仕事を早くこなすもの。短時間で終わらせる人に給料を払いたい」と言って、短時間では終わりそうにない大量の仕事を社員に与えて、1秒たりとも無駄な時間を作らせまいとする人でした。もれなく労基にひっかかりまくりの職場でしたが、「優秀な人は短時間で仕事を終わらせる」という信念は仰る通りです。

仕事の価値は忙しさで決まらない

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私にも、「忙しくない自分には価値がない」という葛藤があります。
他のことで自信がないから、自信の拠り所を仕事に求めようとします。
責任のある仕事をしているから価値がある、忙しく働くから価値がある…と。
そういう価値は、他者と比較して発生するものだから、自分より上回る人が現れると、一気に自信喪失したり。逆に自分より下回る人がいることで安堵するような不安定な価値でしかない。

どんな仕事をしていようと、忙しくても忙しくなくても、仕事の価値と自分の価値は別。「忙しい私って、凄いでしょ」って自己陶酔型の価値で満足するなんて小さ過ぎ。その仕事に価値があるかを決めるのは他者(お客様や会社)で、価値を感じてもらえる仕事を生み出すことに満足できたらいいのに。他者にとっての価値を作るほうが、自己陶酔型よりもずっと難しいです。